明智小五郎がやってきた

マンガ「明智小五郎がやってきた」令和の小林という少年のところに明智小五郎が本の中からやってきます。

江戸川乱歩と「いだてん」の時代(コラム)

去年(2019年)の大河ドラマ「いだてん」自分はとても大好きでした。

今回江戸川乱歩の小説の登場人物を書くにあたり、江戸川乱歩の生没年などを調べていると、「いだてん」の2人の主人公、金栗四三田畑政治江戸川乱歩は生まれた年が近いことがわかりました。

 

生まれた順番に、金栗四三(1891~1983)・江戸川乱歩(1894~1965)・田畑政治(1898~1984)となります。

マンガ内でも書いていますが、乱歩没年の前年、1964年は東京オリンピック開催の年です。

だとしたら、ちょうど「いだてん」のあのドラマの時代がきっと江戸川乱歩も見た時代だと思ってますます興味深く感じました。

 

ところで、私は沖縄出身です。

なぜこれをわざわざ書くのかというと、私にとって明治以降から太平洋戦争の終戦まで(~1945)は歴史の中でぼやけた時代でした。

 

現在はどう教えているかわかりませんが、沖縄の反戦教育は一種ものすごいところがあって(それだけ沖縄の人にとって太平洋戦争・沖縄戦は辛く酷いものだった)、歴史の授業では明治からはなんだか日本がいかに愚かしく軍事国家となり戦争に突き進んでいったか、そして沖縄戦がいかに悲惨であったか、ということを習うので、明治から太平洋戦争が始まるまでのほかの歴史は自分の中であいまいなままでした。

 

熱心な反戦・平和の心が別のことがらを生むこともあるのでしょうね。

 

なので近代でありながら太平洋戦争以前の人々がどのように暮らしていたか、うまくつかめずにいたのです。

しかしながら去年「いだてん」を見ることによって、その時代の人々も私たちと同じように楽しい時は笑い、悲しいときは悲しみ、一生懸命に生きていたことがわかり、その時代の人々が身近になったような気がしました。

 

それまではただ太平洋戦争へ向かう暗い時代で押さえつけられたかわいそうな人々、というイメージだったのです。顔が無い、というかイメージできない、というか…

 

歴史にはいろいろな側面があり、それは今現在の「時代」も同じことかもしれない。

江戸川乱歩(→明智小五郎)の生きた時代と現在の令和の時代が出会ったらどんな話になるだろうか。

そう考えながらこのマンガを書いていこうと思います。

 

 

追記:金栗氏の生誕年が間違っていたので修正しました。あちゃー(2020.12.23)